平成14年4月21日 ペンタゴンの穴の謎 危機管理にはハードの知識が必要というテーマの続きになる。 18日にイタリア・ミラノ市で起きた小型機の高層ビル突入事件は、あんな小さな飛行機でも想像を超える大きな被害を与えられることを証明した。世界各国の警備当局は改めてこの種のテロ攻撃が、旅客機乗っ取りなどの手間のかかる方法だけでないことを知らされて、頭を抱えていることだろう。 そのこととの連想で、私は9・11テロにおけるペンタゴン(国防総省)の被害が逆に小さすぎることについて、やはりこれは何かあるのだろうと強く感じた。 知っている人は知っているが、アメリカ政府は都合の悪い情報は徹底的に隠している。このテロに関しては特にそうである。だから陰謀説が裏で飛び交うことになる。ちょうどケネディ大統領暗殺の後と同じで、何十年たっても真相はこうだという推測が絶えないのではないかと思われる。 あの世界貿易センターの双子ビルがほとんど間をおかずに垂直に崩壊したことと、あと2機の地上衝突現場がほとんど、または完全に隠匿されてしまい、機体の破片すら撮影されていないことがいかにも不自然なのだ。 ピッツバーグ近郊に墜落したUA93便は現場を完全に隔離し、上空からの映像もまだ公開されていない。あまりに隠しているので疑いをそらす意図かどうか、4月18日になってボイスレコーダーを乗客の家族に聞かせる会を催した。 さらに興味があるのはペンタゴンに突入したといわれるAA77便である。この激突箇所の消火作業の映像はかなり公開されているが、不思議なことにほとんど何もぶつかった形跡が見られない。 だから私は9月18日に書いた「動機、目的、メッセージ」のなかで、「なんとかカスることができた」と表現した(参照)。 旅客機が墜落した現場写真というものを我々はいくつも見てきている。御巣鷹山の日航機の例を見ても、垂直尾翼はたいてい目立つ形で残っている。水平尾翼や胴体の一部も同様だ。それにエンジンはいくら燃えても残骸は大きい。小物ではシート、酸素マスクなど。いうまでもなくすべて不燃材料で作られている。遺体だって燃えにくいからそれとわかる。 ペンタゴンの西側正面付近の外壁に頭から突っ込んだとされる中型旅客機B757-200は、直後の消火作業の写真に全く存在していないのである。それどころか、1階の柱が細くなってはいるが全部健在である写真もある。2階から5階までの上層階が崩れ落ちたのは約2時間後だ。そんな短時間で飛行機の残骸を優先的に全部撤去したとは考えられない。消火作業が何よりも優先だ。 ボーイング機の頭が突っ込んだとしても、そこに爆発物はない。燃料タンクは主翼のなかにある。 燃料もふつう爆発はしない。炎上するだけだ。だから、頭から突っ込んだのではない。爆発もしていない。何より直後には1階の柱が全部、立っていた。それに機首から突入すれば1階だけでなく2階まで同じように破壊されるはずだが、2階は破壊されていない。 さあ、この謎をどう解くか? 私は陰謀説をあまり信じないので、もっと合理的に考えたいと思う。 ペンタゴンの1階に飛び込んで内部で爆発したのはミサイルではなかったか? これが私の「合理的」な推測である。9月18日付ですでに述べたように、このハイジャック機はホワイトハウスを目指していたが、空軍の戦闘機に妨げられた可能性が強い。旋回してペンタゴンに突入する姿勢を見せたので、戦闘機パイロットはあわててミサイルを発射した。上から低空のハイジャック機に向けて撃ったミサイルが、あまりに近距離だったので逸れてペンタゴンの1階に突っ込んで爆発したのではないだろうか。 このミサイル(たぶんスパローかサイドワインダー)は空中戦用のものだから火薬量は少ない。屋内で爆発したとしてあのぐらいの破壊力に見合うのではないかと思われるのだ。 ではハイジャック機はどこへ行ってしまったのだろうか? 米政府の発表では、まずヘリポートに墜ち、滑って外壁にぶつかったとされている。本当のグラウンド・ゼロ(爆心地)がどこなのか、残骸と遺体はどうなったのか、疑問はふくらむばかりだ。 ピッツバーグ近郊のUA93便墜落に関しては現場の位置に疑問はない。しかし同じように米軍戦闘機による撃墜疑惑が根強くささやかれている。もし撃墜ならば、一部乗客の英雄的行為という「伝説」は色あせてしまう。遺族にはとても受け入れられないだろう。 それよりも何よりも、ハイジャック機を撃墜せよという命令を誰が下したのか、今後は誰が下すのかというきわめて微妙な政治問題を引き起こすことになる。いまはダンマリを決め込むしかないというのがブッシュ政権の本音ではないだろうか。(02/04/21) 陰謀説はともかく、映像を見られるのでご紹介します。 [追補] 上記URLは閲覧不可能のため、参考までに画像をアップしておきます。(03/26/2004) テロ直後のペンタゴンの様子 |